特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
18.その他
Shwachman-Bodian-Diamond症候群タンパク(SBDS)
池川 志郎
1
Shiro Ikegawa
1
1理化学研究所遺伝子多型研究センター変形性関節症関連遺伝子研究チーム
pp.542-543
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100498
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Shwachman-Bodian-Diamond症候群
Shwachman-Bodian-Diamond症候群(以下,Shwachman症候群;MIM260400)は,常染色体劣性の遺伝形式をとる単一遺伝子病である。膵外分泌機能不全,骨髄機能不全,骨格異常,低身長など,多臓器の多彩な症状を特徴とする。膵外分泌機能不全により,膵酵素産生量,血清アミラーゼ,トリプシノーゲンの低下をきたし,膵臓は小さく,脂肪化する。骨髄機能不全は好中球減少が特徴的であるが,貧血,血小板減少もしばしばみられる。骨髄所見では骨髄低形成,再生不良性貧血がみられる。骨格異常は個人差が大きいが,骨幹端異形成(成長板の発達異常),肋骨・胸郭の異常が主で,それ以外には骨年齢の低下,骨量減少,脊椎の異形成,圧迫骨折などがみられる。わが国での報告例は少ないが,欧米では多くの報告があり,先天性の膵外分泌機能低下の原因としては,囊胞性線維症(cystic fibrosis)についで2番目に多い疾患とされている。
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