特集 シマから学ぶ、プライマリ・ケアの未来—いざ、素晴らしき離島医療の世界へ
【離島医療イロイロ】
❷大きい島[福江島、他/長崎県]離島・へき地における長崎大学の取り組み—教育・研究機関としての大学の立場から
宮田 潤
1
,
野中 文陽
1
,
山梨 啓友
2
1長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻 離島・へき地医療学講座
2長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 先進予防医学共同専攻 総合診療学分野
キーワード:
多職種連携教育
,
オンライン診療
,
医療MaaS
,
ドローン物流
,
前向きコホート研究
Keyword:
多職種連携教育
,
オンライン診療
,
医療MaaS
,
ドローン物流
,
前向きコホート研究
pp.617-621
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350060617
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
長崎県五島市の概要
長崎県五島市は、長崎市の西方約100kmの洋上に位置し、本土との直行航路を有する福江島・奈留島と、8つの二次離島(本土との直行航路のない離島を二次離島と言う)で構成されています。2024年10月現在の五島市の推計人口31,928人のうち、65歳以上の人口割合を示す高齢化率は43%に達しています(表1)。離島やへき地においては、医療・介護資源の慢性的な不足や公共交通機関の縮小により、効率的な医療サービスの提供が難しくなりつつありますが、五島市はそれに加えて、人口の少ない島や高齢化の進んだ小集落の点在する立地環境、そしてへき地診療所の老朽化といったハンディキャップを抱えています。
長崎大学では、長崎県と五島市による寄附講座「離島・へき地医療学講座」を2004年に開講し、福江島にある長崎県五島中央病院内に設置された離島医療研究所を拠点として、地域医療に関する教育と研究、離島の診療支援、そして情報通信技術(ICT)を活用した離島の医療やヘルスケアサービスの質と利便性を高める取り組みを進めています。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.