公衆衛生人国記
長崎県—原爆被災と離島の保健医療
竹本 泰一郎
1
Taiichiro TAKEMOTO
1
1長崎大学医学部公衆衛生学
pp.490-492
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207978
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長崎県は,五島,壱岐,対馬を初めとする大小様々な島々と長崎,西彼杵,島原などの諸半島からなり,海岸線の長さは北海道に匹敵し県域も極めて広い.海に向かって開かれていることが,西洋医学の門戸としての伝統を創り上げたが,同時に広大な東支那海に点在する,70余の人の住む島々での保健医療をどう確保するかが大きな課題である.
地理的条件に加えて,長崎市が原子爆弾の被災をこうむり,戦後の公衆衛生が被災後の復興と原爆後障害の保健医療を抜きにしては語れないことが,長崎の特殊性である.
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