特集 シマから学ぶ、プライマリ・ケアの未来—いざ、素晴らしき離島医療の世界へ
【離島医療イロイロ】
❸南の島[父島・母島/東京都]遠隔地離島とシマでの子育て
松平 慶
1
1前・小笠原村立小笠原村診療所(母島診療所)
キーワード:
離島医療
,
地域保健
,
育児
,
急患搬送
,
感染症対策
Keyword:
離島医療
,
地域保健
,
育児
,
急患搬送
,
感染症対策
pp.622-627
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350060622
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約1,400万人の都民が暮らす東京都は、高層ビルが建ち並び、交通網が入り組む大都市としての顔だけでなく、豊かな自然や文化を有する多摩地域の山間部、そして、太平洋の大海原の中で自然と共存し、時に台風や噴火などの災害と対峙しながら、また、太平洋戦争の戦禍から23年間米国領となっていた小笠原諸島のように、激動の歴史を辿りつつもたくましく生きる人々がいる離島(島しょ地域)を有している。
本稿では、夫婦ともに自治医科大学(以下、自治医大)卒業医師として10年来、東京都の離島医療・保健に携わり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応をパンデミック初期から五類感染症の直前までシマで担い、またシマでの2度の育休を経験し3児のシマっ子を育てた一島民として、特に3年半過ごした小笠原諸島の医療や生活にフォーカスして、遠隔地離島の現状や課題、またシマでの子育てについてご紹介したい。

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