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教育講座
呼吸からみた摂食嚥下リハビリテーション
Swallowing Rehabilitation from a Respiratory Perspective
藤田 彩香
1
Ayaka Fujita
1
1弘前大学医学部附属病院リハビリテーション科
キーワード:
抜管後嚥下障害
,
集中治療室
,
呼吸ドライブ
,
嚥下スクリーニング
,
直接訓練
Keyword:
抜管後嚥下障害
,
集中治療室
,
呼吸ドライブ
,
嚥下スクリーニング
,
直接訓練
pp.642-648
発行日 2024年7月18日
Published Date 2024/7/18
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
Intensive care unit(ICU)における嚥下障害は,集中治療室で人工呼吸管理が行われた呼吸不全患者の抜管後によくみられる合併症であり,抜管後嚥下障害(postextubation dysphagia:PED)と呼ばれることが多い1).このPEDは一般的に長期間持続し,誤嚥性肺炎のリスク増大,栄養状態の悪化,生活の質の低下を引き起こす.このため死亡率,在院日数や経済的負担を増加させ,医学的のみならず,医療経済的にも,重大な問題である1).多くのICUでは体系的に嚥下スクリーニングが行われておらず,またPEDの発症率も3〜62%と,報告によって大きなばらつきがある2).このためPEDの発症機序はいまだ十分に解明されていない2).近年ICUにおけるPED患者の摂食嚥下リハビリテーションが強く望まれるようになってきたが,適切なガイドラインやコンセンサスが欠如している状態である.このため,摂食嚥下リハビリテーションは個々の言語聴覚士の能力や知識に依存しており1),医療現場での不安や不満を引き起こす原因となる可能性がある.主なPEDの病態と全身状態が摂食嚥下リハビリテーションに及ぼす影響について述べる.

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