Japanese
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教育講座
半側空間無視のニューロリハビリテーション
Neurorehabilitation for Patients with Unilateral Spatial Neglect
水野 勝広
1
Katsuhiro Mizuno
1
1東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学
キーワード:
半側空間無視
,
リハビリテーションアウトカム
,
機能的結合
,
プリズム適応療法
,
ニューロモデュレーション
Keyword:
半側空間無視
,
リハビリテーションアウトカム
,
機能的結合
,
プリズム適応療法
,
ニューロモデュレーション
pp.649-654
発行日 2024年7月18日
Published Date 2024/7/18
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- Abstract 文献概要
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はじめに
半側空間無視(以下,無視)は,「大脳半球損傷の反対側に提示された刺激を報告したり,刺激に反応したり,与えられた刺激を定位することの障害」1)と定義されている.視覚に限定された症状ではなく,体性感覚や聴覚など複数の感覚モダリティに影響し,さらには無視側空間での運動にも影響を与える.無視は左半球損傷より右半球損傷患者に多いとされているが,左半球損傷でも起こり得る.左半球損傷による右無視については,あまり評価されてこなかったが,過去の報告でも左半球損傷の30%程度2)と臨床的にもまれな症状ではなく左無視と同様にリハビリテーションアウトカムに影響する重要な因子であり,正しく診断・評価する必要がある.無視の評価においては,机上検査だけでなく行動検査も有用であり,よく利用されている.
本稿ではリハビリテーション医療の現場での無視患者の診察の仕方から,無視の症状や発症と回復のメカニズム,最新のニューロリハビリテーション治療などについて概説する.

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