焦点2 退院と家族
代理行為があるかぎり,家族は忘れ去られてしまう
高橋 政代
1
1盛岡市立病院
pp.59-63
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900528
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■嫌が応にも「退院促進の時代」なのだ
「病院から施設へ」「施設から地域へ」という精神科領域におけるノーマライゼーションの理念が提起されてから,すでに10年近く経とうとしている。急激な退院にともなってさまざまな弊害が生じているという話は聞いたことがあるけれども,今後も長期入院患者さんの地域への退院を促進する流れは変わらないだろう。
援護寮などの社会復帰施設,グループホームなどの社会復帰促進事業,民間による痴呆性老人のグループホームも各地にたくさんできてきている。精神障害者福祉ホームB型も1999年に予算化され,さらに地域で生活している人に対しても,精神障害者地域生活支援事業に今年から精神障害者居宅介護等事業(ホームヘルプサービス)と精神障害者短期入所事業が加わって,新たな住宅福祉事業として施行されていることなど,国を挙げて「地域で暮らす」土台作りが着々と進んでいる。
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