今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識
生殖医療にかかわる法的問題
代理懐胎
久具 宏司
1
1東京都立墨東病院産婦人科
pp.1165-1173
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209210
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●現在の日本では,代理懐胎を含む第三者がかかわる生殖医療に関して法のない状況であるが,日本産科婦人科学会は会員への見解として,代理懐胎の施行を禁止している.
●1962年および2007年の最高裁の判例により,母子関係の確定は,子を懐胎し出産した女性を母とするよう運用されており,海外で行われた代理懐胎についても準用される.その後に子と依頼夫婦との間に特別養子縁組を結ぶことは容認されている.
●2007年の最高裁判決で,代理懐胎とその結果生じる親子関係について法による速やかな対応が望まれ,2008年の学術会議対外報告で代理懐胎の法による原則禁止と試行的実施の考慮が提言されているものの,議論は進んでいない.
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