連載 何を伝えよう,どう伝えよう:新カリ時代の具体策4
精神看護学の新しい教育を模索して
斎藤 一江
1
1大津市民病院付属看護専門学校
pp.80-81
発行日 1998年7月15日
Published Date 1998/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900088
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学生は,臨床実習で精神障害者と向き合ったとき,自分の否定的な反応に戸惑う。学生も,社会の多くの人びとと同様に,よく知らないがために精神障害者を怖いと感じる。そして,この戸惑いが学生自身の精神障害者観を気づかせることになる。そして,学生は精神障害者に対する自分の認識や感情を客観視することによって,精神障害者を理解するとともに自己を理解する。学生は実習のなかで,自己をみつめざるを得ない状況におかれるのある。
そして学生は,自分と向き合い,自己の障害者観,さらには人間観を洞察するに至る。精神障害者に対する偏見というのは,人間観と深くかかわる問題であるからだ。
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