特集 看護の論理もとめて
わたしの看護探求
模索しながら成長したい
山根 美代子
1
1杉並組合病院
pp.21-22
発行日 1968年4月1日
Published Date 1968/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913934
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サークル活動でいだいた夢
思えば4年前のことだった。当時ある大学医学部付属看護学校に在学中だった私は,看護学生,医学生が一緒になって,人間疎外の強い現在の医療を変革し,技能的でしかない看護を医療技術として確立していこうとする,あるサークルに所属していた。最初はのり気がせず,むしろさけるようにしていたものだったが,自信に満ちて多くの書物を読みあさり,自分たちで今の医療を変革するのだと論じたてる医学生の姿に接し,木枯しの吹きすさぶ12月に,医療保護患者の実態調査で家庭訪問をし,「看護婦」「弁証法の諸問題」「人間科学論」をテキストにしてこの読書会で,少しずつ目の開かれる気がした。
そしてだんだん今まで教わった看護が薄っぺらい貧弱なものに思え,これからは学問としての科学的な理論体系を築いて行かなければならないのだという,大きな夢をいだいた。それと同時に,将来も共に活動していこうという,かけがえのない友だちも得た。そして卒業を期に,大きな希望をもって新しい職場に巣立っていった。
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