マイ・オピニオン
院内教育を模索するなかで
高橋 令子
1
1神戸市立中央市民病院
pp.229
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918094
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長い看護教育の場での仕事から臨床の場へ総看護婦長として移って,はや4年を過ぎようとしている.移ってきたころしきりに感じたことは,入学・卒業時点から知っている人たちを,10余年後に,自分を最も助けてくれる婦長として接してみるのと,つい数日前卒業式をして送り出した人を新採用者として受け入れることの対比であった.
前者の婦長たちは1人1人よく努力し,成長して,それぞれの立場で立派に仕事をしている.しかしこの人たちの10余年はどのようであったかと考えると,年月と経験と個人の努力の積み重ねであって,そこに教育的配属やリーダーシップトレーニングは全くなく,教育の機会としては短期間の研修に参加したことが唯一と言っていい.個人個人はほんとうによく成長しているのだが,やはり教育されていないことの欠点もまた認めざるを得ない.
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