特集 短期入所と通所サービスをめぐる課題
特集6
地域と施設の“いい関係”をめざすには
新たなデイサービスを模索する
松井 俊雄
1,2
1伊勢崎市養護老人ホーム第二愛老園
2前:伊勢崎市在宅介護支援センター愛老園
pp.913-917
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902094
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介護保険の問題点
介護保険制度に突入して5か月が経過したが(8月現在),いたるところで混乱と矛盾が生じ,在宅にいる老人と家族やサービス現場にいる人々はとまどう毎日である.混乱や矛盾の原因は,まず老人のランクづけを6段階と細かくしたことである.そもそも人間をパターン化すること自体が矛盾であるが,保険給付をするときに基準を設定しないと仕組みが成り立たないので,制度を維持する上では必然の方法となる.サービスと金銭支給が対価関係になれば,サービス給付の段階に応じた支給を設定しないと(サービスの段階に応じた値段をつけないと),支給の総枠が見えず,予算の成立が難しくなるからである.
措置制度のように,初めから大枠を決めて,その範囲でサービスをすることが前提である制度とは根本的に違う.しかし,老人をランクづけしようとすると,ランクの幅におさまりきらない場面が多々生じ,厳密にランクづけをしようとすればするほど,矛盾が生じてしまう.結果として,人をランクづけするのではなく,ランクの中に人をあてはめようとすることになる.
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