連載 幻覚・妄想を聞く。・3
嫌がらせに“無”になって耐えていたため、長い間人とのかかわりが持てなかったAさん
星川 亜未
1
1医療法人北仁会旭山病院 医療相談室
pp.55-61
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200572
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5年前から始まりました
旭山病院(以下、当院)は開院して38年が経つ単科の精神科病院です。緑に囲まれた自然豊かな所にあります。依存症治療の専門プログラムを持っており、同じ苦労をかかえるメンバーが集まって自分のことを語ったり人の苦労を聞いたりして、回復には仲間の力が必要であるということを実感する場が多くあるのが特徴です。「自助」を大切にする文化が回復のために根付いている病院です。
当院での当事者研究のグループワークは2013年12月から始まり、月に2回のペースで開いて今年で5年目になります。参加者は平均3〜5名前後。5年で30人以上の方が参加しました。会では参加者それぞれが自伝を語り、それをワイワイガヤガヤと、メンバー、スタッフみんなでつなぎ合わせるような作業を行っています。当事者研究の場は、自分を表現できたり、つながりを実感できたりする機会になっているようです。
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