NURSES' VIEW
自分の持てるもののすべてを手段にして看護すること
小木 富子
1
1福井県立病院看護部
pp.505
発行日 1984年5月1日
Published Date 1984/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920766
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例年のごとく年賀状の整理中,看護婦になって2, 3年のころの患者さんからのものが目に留まった.あのころ,私は果たして看護と言えるものをしていただろうか,と考えてしまう.医師の診療介助優先,病気を治すためには,少々の不自由は当然であるといった考え方のかかわりであっただろうと思うのに,Hさんからは毎年丁重な賀状をいただいている.
それを読む度に,若いころを思い出し,今の自分を見つめ直す機会となっている.看護の質は己の成長によって高まっていくものだと言われるが,自分の未熟さゆえに貧しい援助しかできなかった,若かったころの私に接した患者さん方に申し訳ないと心が痛む.その埋め合わせを,今接している患者さんに懸命にしている私である.
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