特集 自分を傷つける行為が止まらない人―医療者はどう捉え、かかわればいいのか
治療関係における「安全さ」を求めて—トラウマ臨床における配慮
宮地 尚子
1
1国立大学法人一橋大学大学院社会学研究科
pp.557-561
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200148
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嗜癖をもつクライアントとトラウマ
嗜癖をもつクライアントのなかには、さまざまなトラウマをかかえている人が少なくない。トラウマは語られにくく、すべてを明らかにすることが常に重要なわけではないが、嗜癖の背景にトラウマがある時にそれを無視してしまうと、治療の効果が得られないだけではなく、治療の過程でかえってクライアントを傷つけ、悪化させてしまうことも多い。本稿では、臨床の場で安全な治療関係を築くために、トラウマに関して配慮すべきポイントを述べていきたい。
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