今月の臨床 分娩の多様化とリスク管理
分娩におけるアメニティへの配慮と安全性の確保
朝倉 啓文
1
,
清川 尚
2
1日本医科大学産婦人科
2船橋市立医療センター
pp.1414-1417
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904791
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はじめに
分娩の安全性を願うことは,産科医療従事者のみでなくすべての人々の願望である.近代産科医療は,母児の安全性を中心に見据えて周産期医療体制を整備してきた.そして,日本や先進国での分娩の安全性はある程度のレベルに達しているといえる(図1)1).
しかし,妊娠,分娩は決して異常ではなく,動物本来の自然生活の一部である.このような視点から,現在までに近代産科学が築き上げてきた医療者側主体の分娩(安全性指向であるが)ではなく,より人間味のあるさまざまな分娩様式を望む人々が増加しているようである.つまり,身体面での安全性のみを重視するのではなく,精神面での安全性ともいえる満足度を充足させる視点である.
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