特別記事 国立精神・神経センター・医療観察法病棟が、そのプログラムとノウハウを公開します・2
疾患教育
生井 淳子
1
1国立精神・神経センター医療観察法病棟
pp.97-104
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100698
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国立精神・神経センター医療観察法病棟では、重大な他害行為を行った精神障害者へのケアのひとつとして、看護師が中心となり、疾患・服薬心理教育を行っています。このプログラムの目的は、「対象者が、疾患と対象行為の関連性を認識し、自らの再発予防に取り組む主体性を獲得すること」です。疾患に関する知識が不足していたり、服薬の必要性を理解できていなければ、再発のリスクが高まります。リスク要因を減らすためには、適切なプログラムを提供する必要があります。
当病棟で行っている疾患・服薬心理教育は「ステップ」という名前です。これは対象者が確実にステップアップしていけるようにという思いから名づけました。ステップ1からステップ3までの3部構成で(表1)、全14回となっています。3部構成にした理由は、段階を区切り、それが終了するたびに参加者が達成感を得られれば、脱落を防げるのではないかと考えたからです。また、段階を設定しておくことで担当多職種チーム(MDT:Multidisciplinary team)がより的確に対象者をアセスメントすることができると考えたからです。
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