Japanese
English
特集 学校で精神疾患を「自分のこと」として教育する
学校における精神疾患教育の意義
The Significance of Mental Health Literacy Education in School
鈴木 道雄
1
Michio SUZUKI
1
1富山大学学術研究部医学系神経精神医学講座
1Department of Neuropsychiatry, University of Toyama Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences, Toyama, Japan
キーワード:
生涯有病率
,
lifetime prevalence
,
発症年齢
,
age at onset of mental disorders
,
障害調整生命年
,
disability-adjusted life years
,
DALYs
,
メンタルヘルスリテラシー
,
mental health literacy
,
アンチスティグマ教育
,
anti-stigma education
Keyword:
生涯有病率
,
lifetime prevalence
,
発症年齢
,
age at onset of mental disorders
,
障害調整生命年
,
disability-adjusted life years
,
DALYs
,
メンタルヘルスリテラシー
,
mental health literacy
,
アンチスティグマ教育
,
anti-stigma education
pp.1189-1196
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206732
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抄録 わが国における精神疾患の生涯有病率は約20%と報告されている。その多くが若年(小児期から思春期を中心)に発症する。精神疾患の症状の始まりから治療開始までの未治療期間が長いと回復が困難になるので,若年者における早期発見・早期治療が重要である。しかしながら,若者は自らの精神疾患を自覚しにくく,たとえ気づいても援助希求行動を取らないことが少なくない。2018年に告示された新しい学習指導要領では,高等学校における保健体育教育に,1970年代から排除されていた精神疾患に関する内容が含まれることになり,2022年度入学生から実施のスタートを切ったところである。学校における精神疾患教育の充実により,若者のメンタルヘルスリテラシーが向上し,精神疾患の早期発見と早期治療・支援の促進および精神疾患へのスティグマの低減が実現することが期待される。
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