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―「入院医療から地域生活へ」が実現できている―離島・八重山の精神科医療
長山 亜紀子
1,2
1訪問看護ステーションゆうあい
2ヘルパーステーションゆうあい
pp.54-58
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100539
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私が離島における精神科医療に興味をもちはじめたのは、10年ほど前になります。精神科病棟で勤務していたときに、五島列島の「憑依と多重人格」*1に関する研究を読んだのがきっかけでした。読めば読むほど興味が湧いてのめり込んでしまう自分に危機感を感じ、その場は読むだけに終わらせました。その後、大学の友人が八重山の出身だったので、友人から沖縄、八重山の文化や習慣の話を聞いては関心を募らせていました。そして興味を抑えられなくなった私は、とうとう自分で八重山を訪れ、八重山の医療者や住む人から語りを聞くようになりました。
八重山とは、南西諸島西部の島嶼群のことです。先島諸島の一部を成し、八重山列島、八重山諸島ともいいます。行政区分では沖縄県石垣市、八重山郡竹富町および与那国町の1市2町に属します。
八重山で往診をしている医師が、「八重山では、アニミズム文化(生物・無機物を問わずすべてのもののなかに霊が宿っているという考え方)を認められなければ、医療を行なっていくのは難しい」と言っていたことが非常に印象的でした。
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