連載 フランスの芸術療法・音楽療法を探して・1【新連載】
大匙1杯の勇気をもってフランスへ
安積 美保
1
1元・精神科病院
pp.58-64
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100458
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~空の下は春めいていても、4月の月は冷たく凍ったまま~
4月に入り、今日もパリはすばらしい晴天が続いています。見上げれば青く広いフランスの空が広がり、街中の木々の緑が鮮やかな光を放っています。公園のベンチや芝生では人々がサンドイッチを頬張ったり読書したり、そしてパートナーと仲良く囁きあったりと、それぞれ大切な時間を過ごしています。
早いもので、私がフランス入りしてから9か月が過ぎました。アンボワーズからポイヤックへ、そしてパリへ。シャンソンと音楽療法という鍵を手がかりに、何の根拠もなく「何とかなる」と思い続け、奇跡的に今日までこの国で笑顔で過ごせてきたのは、周囲の人々のおかげです。私は人々の温かすぎる優しさに甘えまくり、流れてきた舟に乗せてもらってばかりなのです。
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