特集2 どうやってもうまくいかなかった「境界例」
事例を読んで、こう思った
➁「境界例が大嫌い」な私のスタンス
安藤 馨
1
1独立行政法人国立病院機構・久里浜アルコール症センター
pp.56-62
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100336
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憎まれっ子病棟にはびこる
「BPD」「境界例」「境界性人格障害」「ボーダーライン」……,入院指示箋にこれらの診断名が書いてあると,一瞬にして不愉快な気分になりため息が出ます。再入院患者の場合は「また来るのかよ!」と思い,新規入院患者の場合は,まだ顔も見てないのに「何をやらかしてくれるのだろう」と思う……。どちらにしてもこちらの反応は超悪い。そして,入院させようとする主治医に対して敵意をもつ。
これは決して大げさに書いているわけではありません。彼らにしたって好きで障害になったわけではないだろうに,この診断名だけで嫌われてしまうのだから本当はかわいそうなのかもしれない。けど,なんと言われようがイヤなものはイヤなのだから仕方がない。このように思っているのは自分だけではなく,彼らと接したことのあるほとんどの医療従事者が同じように思っているのではないでしょうか。
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