特集2 もしかして発達障害……?
➁青年期の引きこもりにみられる発達障害
近藤 直司
1,2
1山梨県立精神保健福祉センター
2山梨県中央児童相談所
pp.53-58
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100121
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知られざる原因としての発達障害
青年期引きこもりケースの治療・援助方針はその精神病理学的背景ごとに大まかに3つに分けて検討することができます(表1)。
軽度の発達障害が原因とみられるケースは、セルフ・エスティームの低下や不適応感・被害感による対人関係の忌避を引き起こし、二次的にも情緒的・心理的問題や他の精神障害を引き起こし、結果的にそれぞれの年代に求められる対人関係に適応できずに孤立し、引きこもりに至っているようです。発達障害が重度であれば、健康診断や教育の過程で医療者や教師が気づき、早期にしかるべき援助の道へつなげることもできたかもしれませんが、軽度であったことが、かえってこれらのケースを適切な援助から遠ざけてしまったかに見えます。
本稿では、こうしたケースの概要と、相談・援助のポイントなどについて述べたいと思います。
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