特集 医療者が楽になる「リスクマネジメント」
【インタビュー】「希望」としてのリスクマネジメント―そのとき専門家はどこに立つべきなのか
向谷地 生良
1
1北海道医療大学
pp.59-65
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100264
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リスクマネジメントが導入されてから,医療の現場が窮屈になったといわれる。予期的な不安によるためか,隔離拘束・行動制限も増えたという話もある。医療現場では,「明日はわが身」といった危機感や,「事故を起こしてはいけない」というプレッシャーが高じて,戦々恐々とした状況がつくりだされている。
しかしこんなに医療者がきつくなってばかりのリスクマネジメントって,正しいのだろうか。何かが間違ってないだろうか――。
そう考えたとき,対照的に浮かんできたのは「リスク街道まっしぐら」で進んできたべてるの家だ。精神障害をもちつつ商売を始める,地域で暮らす,全国に講演にいく……べてるの家のこれまでの歩みは,常に「リスク」とともにあったように見えるからである。
そこで,べてるの家に当初からかかわり,昨年4月まで浦川赤十字病院のソーシャルワーカーをつとめ,現在も非常勤で勤める向谷地生良さんに,「精神障害とリスク」「精神医療とリスク」の考え方についてうかがった。
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