特集 医療者が楽になる「リスクマネジメント」
To err is human―「人はミスをする」を前提にした組織対策―『アメリカ医療の光と影―医療過誤防止からマネジドケアまで』を読む
川田 和人
1
1松原病院
pp.54-58
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100263
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事故を憎んで人を憎まず
「罪を憎んで人を憎まず」
この言葉は,かの名奉行大岡越前の裁きにおける信条として知られています。大岡越前といえば,テレビ時代劇を通じて人情味溢れる大岡裁きで,庶民派のイメージをもっている方も多いと思います。ラストシーンの白州の場で,罪を犯すに至ったその人の身の上を見極めながら裁きを下す場面はどこか視聴者をホッとさせてくれるものです。過ちを犯すには,何かしら「のっぴきならない事情」があり,そのことを十分に考慮したいという気持ちの表れでしょう。
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