特別記事
痴呆高齢者への「心療回想法」によるコミュニケーション技術
小林 幹児
1
1産能大学経営情報学部
pp.62-69
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100220
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精神療法として医療保険点数が認定されています
最近,よく知られるようになった回想法★1は,1960年代にアメリカの精神科医のロバート・バトラー博士が始めたものです。わが国でも痴呆,高齢患者へのレクリエーションとして,介護場面で広く行なわれています。この回想法を痴呆の患者さんへの精神療法として再開発したのが心療回想法です。
心療回想法は,90年代にアメリカとオーストラリアを中心として広がり,痴呆症状の治療,進行抑制,予防などに効果をみせています。日本でも療養型病棟などにおいて,入院患者への精神療法として医療保険点数330点が認定され(RO法,リアリティ・オリエンテーションと併用されることもある),多くの病院で取り入れられるようになってきました。医師や臨床心理技術者のほかに看護師が行なうことも認められています。
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