連載 新しいリハビリテーションの取り組み紹介
回想法
小林 幹児
1
1日本回想療法学会
キーワード:
ADL
,
記憶
,
快感情
Keyword:
ADL
,
記憶
,
快感情
pp.1108-1109
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102279
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認知症とリハビリテーション
回想法は,近年大きな発展をみせてきた.そのきっかけとなったのは2009年に厚生労働省により「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」が介護保険対象サービスに新規加算されたことによるものだと言われている.これはリハビリテーション職(理学療法士;PT,作業療法士;OT,言語聴覚士;ST)が,医師の指示を受け20分間「記憶の訓練」を行った場合に算定される.リハビリテーション職による,認知症に対する個別ケアの実施が現実化したことで,いくつかの実施条件はあるものの,記憶の訓練を行うという新しいジャンルにリハビリテーション職の範囲が拡大したと言える.
回想法が高齢者施設で実施される時はレクリエーションとして実施されることが多い.この場合は,参加者の楽しみを促すことが目的とされ,記憶の回復や認知症の進行抑制などの療養効果を期待するものではない.それでも多くの施設で実施されている現実から考えてみると,回想法は介護職から一定の支持を受けているものと考えられる.
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