連載 患者・看護師双方のためのアクティビティケア・4
回想法・2 個人回想法
六角 僚子
1,2
1NPO法人認知症ケア研究所
2茨城キリスト大学看護学部
pp.660-665
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101044
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今回は個人回想法について事例を紹介したいと思います.個人回想法は,特にグループになじめない,入院したばかり,あるいは障害の程度でグループでは一緒に行なえない高齢者を対象にするとよいでしょう.前回のグループ回想法で紹介した方法で,一個人を対象にして回想を促していくのが個人回想法です.まずは回想法のテーマを表1に提示しておくので,参考にしてください.
回想法の実施の仕方―個人回想法
今回の例として取り上げるやよいさん(仮名)は,集団になじめず,暴言や同じ言葉を繰り返したり,看護師を追いかけたりしている認知症の人です.看護師もどのようなケアがよいのか悩んでいました.そこでやよいさんの生活史をケアに活かすという目的で,個人回想法(昔話を聞く)を,1回30分を12回,約2か月にわたって行ないました.基本的な方法は,前回のグループ回想法と同じ流れで進めていきました.テーマは幼少の頃の故郷,家族,学童の頃の学校での得意なこと,家の手伝い,遊び,青年の頃の家の仕事,出稼ぎ,戦争,結婚後の頃の仕事,夫,子どものこと,そして今の悩みや今後の希望としました.
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