特集2 “触法患者”への看護ってどうあるべきなの?
➁【個別心理教育】→疾病と触法行為への認知が高まった
松本 賢哉
1,2
1国立精神・神経センター武蔵病院・看護部
2国立看護大学校・看護学部看護学科
pp.51-55
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100161
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
隔靴そう痒感がついてまわった触法患者への看護
触法精神障害者――その言葉を聞くと、現場のスタッフが身構えるのがわかります。他の患者さんと同じく、統合失調症という病を抱える人としてとらえれば対応に違いはないはずなのですが、現実には触法行為やそれに関連した妄想や幻聴などの症状について触れることをはばかるような傾向が、たしかにあるのです。他害行為の内容が重大なものであればあるほどその傾向は強まります。そこに存在するのは、「この人は症状が悪化したら、衝動性・攻撃性を見せる可能性がある」というスタッフ側の恐れではないかと思います。
今年7月に「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行なった者の医療及び観察等に関する法律」が施行されましたが、これを1つの契機として、いままであいまいだった触法患者への医療・看護は見直しを迫られるようになりました。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.