特集1 分野別 事例で学ぶ「個別のマネジメント」
―実践事例➁ 母子保健にみる個別のマネジメント―産後うつ病をもつ母親への個別援助事例から
齊藤 春恵
1
1横浜市中福祉保健センター
pp.1026-1031
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100219
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乳児期の支援の重要性
乳児期は,もしも家庭のなかで虐待が起きていたとしても,外部からは見えにくい。しかし一方で,母子保健分野では既存事業のアンテナを高くし,その事業を展開するなかでハイリスクをとらえ,アセスメントツールを利用してリスク要因を見定めることによって虐待の発生するリスクの高い家庭に対し,予防的視点から取り組んでいくことのできる可能性を備えている。
とくに乳児期から関わる事例では,家庭の機能がまだ十分に成熟していない時期でもあり,加えて,母親が育児疲れや育児ストレスなどによって,パワーレスな状態に陥っていることを考えると,種々のサービスを投入するだけでは十分な援助とは言いがたい。社会資源を事例に対応できる支援ネットワークとして再構築し,家族の成長を見守りつづけるマネジメントが不可欠なのである。
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