Japanese
English
特集 認知症診療における精神科医の役割を再考する
認知症患者の触法行為に対する精神科医の役割
The Role of Psychiatrists for Violation of Law on Subjects with Dementia
品川 俊一郎
1
Shunichiro Shinagawa
1
1東京慈恵会医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
触法行為
,
violation of law
,
前頭側頭型認知症
,
frontotemporal dementia
,
社会的に誤った行動
,
social misconduct
,
認知症の行動・心理症状
,
behavioral and psychological symptoms of dementia
,
BPSD
Keyword:
触法行為
,
violation of law
,
前頭側頭型認知症
,
frontotemporal dementia
,
社会的に誤った行動
,
social misconduct
,
認知症の行動・心理症状
,
behavioral and psychological symptoms of dementia
,
BPSD
pp.1181-1187
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206422
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抄録 近年では高齢者による触法行為も増加しているが,認知症に焦点を当てた資料はあまりない。一般的に,認知症患者の触法行為は軽微なものが多く,前頭側頭型認知症でより多く出現するとされる。これらは前頭葉の損傷に伴う社会的行動の変容の一部と考えられ,最近ではメディアに注目されることも多い。筆者らの調査においても,前頭側頭型認知症群ではアルツハイマー病に比べて初診以前の触法・違反行為の率は高く,中でも窃盗や迷惑行為,交通違反などが多かった。前頭側頭型認知症は過剰診断も過小診断も多いため,まず精神科医には正確に診断をすることが求められる。
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