特集 ひきこもりとその対策
“引きこもり”の現状
塩倉 裕
pp.107-112
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902137
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全国的な広がり
『引きこもる若者たち』と題した講演会が1999年11月,甲府市と盛岡市で相次いで開かれた。テーマは20代や30代の青年の“引きこもり”現象である。どちらの会場のも約100人の市民が参加した。大半は親たちだった。また保健婦やソーシャルワーカー,精神科医,教師など援助のかかわっている人々の姿も多く見られた。
筆者は“引きこもり現象を取材した新聞記者”という立場から,これらの講演会で講師を務めた。それ以前にも東京や大阪などの大都市で同様の講演をした経験はあったが,地方都市での講演に100人もの聞き手が集まるとは思っていなかった。引きこもりは全国的な広がりを持つ現象なのだ—そんな事実を改めて実感させられる出来事だった。
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