特集2 もしかして発達障害……?
➀広汎性発達障害者への対応における留意点
豊田 佳子
1
,
杉山 登志郎
2
1共和会共和病院
2あいち小児保健医療総合センター
pp.46-52
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100120
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広汎性発達障害者とはどういう人たちなのか
広汎性発達障害とは、社会性の障害・コミュニケーションの障害・想像力の障害と、それに基づく行動の障害という、広汎な領域にわたる障害を生来にもつ障害である。重度の知的障害を伴う者から、正常知能、時には非常に高い知的機能をもつ者まで、知的水準はさまざまであるが、最近では知的障害を伴わない高機能児・者が約半数を占めるという報告が多い*1,2。また、広汎性発達障害の中には、社会性の障害をもっていても性格の偏りとの連続性が認められる軽度の発達障害も含まれており、定型発達との連続性をもつ障害と考えられている。
本稿では、広汎性発達障害児・者にみられる適応上の問題について、他の精神疾患における症状との類似など、診断上問題となりやすい点に注目して素描した上で、成人を対象とした精神科臨床においても必要とされる、広汎性発達障害への理解と対応について述べる。
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