特集 在宅でがん患者を看取る—体調の変化の「ちょっと先」を予測し、備えよ
【がん終末期にある在宅療養者へのケア】
患者・家族と、何をどう話すか
増島 麻里子
1
1千葉大学大学院看護学研究科高度実践看護学教育研究分野成人看護学領域
pp.562-565
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201239
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がん患者の将来の意向を共有するのがACP
訪問看護師をはじめ私たち医療者は、患者・利用者や家族に接するとき、「今日の体調はいかがですか?」と問いかけるとともに、「病状が落ち着いたら(退院したら)何をして過ごしたいですか?」「痛みや息苦しさが和らいだら、好きな散歩ができるようになるといいですね」など、将来を想定したやりとりを普段からよく行なっていると思います。このような対話も含め、医療者が患者・利用者の少し先の身体状況を見据えながら、対象者個々の希望の実現に向けて意識的に対話を行なう支援を「アドバンス・ケア・プランニング(以下、ACP)」といいます。
ACPは欧米発の概念で「アドバンスト・ケア・プランニング(Advanced Care Planning)」と呼ばれた時代もありましたが、現在は「アドバンス・ケア・プランニング」が世界共通の用語です。近年、この考え方と重要性は日本でも認知されるようになりました。
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