特集 —チームで取り組む—脳卒中患者のADL拡大作戦
「話す」こととコミュニケーション
上杉 由美
1
1河北総合病院リハビリテーション科
pp.329-332
発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903708
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脳卒中によって引き起こされる言語・コミュニケーション障害にもいろいろある.多く見られるのは,失語症・構音障害・全般的精神活動低下に伴うコミュニケーション障害であろう.失語症は後天的な言語の障害であり,話す・聴く・読む・書く・計算のすべての言語機能が大なり小なり障害される.構音障害は顔面・口唇・舌などの口腔器官が麻痺し,そのために聞き取りにくいことばになってしまう.全般的精神活動低下に伴うコミュニケーション障害は,記憶,知的機能,注意・集中力などの障害によって生じるものである.重度な場合,コミュニケーション手段がなかったり,また複雑な言語症状を呈する点で厄介なのは,やはり失語症である.
本稿では,この失語症について取り上げ,失語症者が抱える問題,失語症者への適切なかかわり方について触れていきたい.はじめにある失語症者の10数年にわたるリハビリテーションの経過を報告する.
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