特別記事
—機能・人材の充実と費用適正化を推進する—2015年度介護報酬改定—生活者視点の地域包括ケアシステム構築を図る
山田 康夫
1
1東京医療経営総合研究所
pp.492-505
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200216
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改定の概要とその背景
介護報酬改定率はマイナス2.27%
2015年度介護報酬改定の改定率はマイナス2.27%と厳しい結果となった(図1)。その内訳としては、介護職員の処遇改善でプラス1.65%、介護サービスの充実(中重度の要介護者や認知症高齢者への対応)でプラス0.56%、その他(適正化・効率化)でマイナス4.48%である。また、在宅分と施設分に分けると前者はマイナス1.42%、後者はマイナス0.85%と試算されている。
昨年10月、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会で、「介護報酬の基本部分について少なくとも6%程度の引き下げ、介護報酬全体でもマイナス改定を行なうべき」という財務省案が示されたが、さらに今年10月に予定されていた消費税率10%への再引き上げの延期も決まり、2014年度診療報酬改定同様、財務省主導の改定となった。
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