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次号予告・編集後記
杉本
,
栗原
pp.686
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102880
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本号責了直前の7月8日、精神科病棟の居住施設への転換を認める方針が示されました(p.671に関連ニュース)。空いた病棟を改修して住めば、ほとんどを病院の敷地内で過ごすことにもなりかねません。精神科医療でも「地域移行」がめざされ、障害者権利条約もようやく批准したのに、「今(長期入院)よりマシな現実的な方策」として納得するしかないのでしょうか。本特集でご報告いただいた数々の取り組みや事例とは対照的で、やりきれぬ気持ちに。巻頭の寺田さんが言う、精神科病院と地域の間の“深くて暗い河”も渡ってこられるようにという願いを表紙に込めましたが果たして……。問題は解決しないに違いないけど、なんとか今日を生きている。精神科訪問看護の深みが迫りくる特集です。…杉本
取材のため、「訪問看護ステーション元」にうかがったときのこと。ミーティング前なのにすでに話し声が……?と思ったら、電話で話すスタッフさんの声でした。その後のミーティング中にも、取材中にも、ひっきりなしに電話のベルが鳴っています。これが元の日常なのだと、とても印象的でした。◎精神障害をもつ人のグループホーム建設に対して、関東地方のとある診療所が受付で反対署名を集めている、ということがインターネットで話題になっています。“深くて暗い河”の存在に暗澹たる気持ちになりましたが、河を渡る船頭になる人が増え、渡ってくる人が増えれば、河の深さも変わるはず。本号が、そんな地域をつくる一助になれば幸いです。…栗原
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