特集 専門職看護の新たな視点―コンシューマ主導の発想とマーケティング〈第27回聖路加看護大学公開講座より〉
講演・2 美しいヒューマンなCAREへのヴィジョンとC.S.(Citizen Satisfaction)
村田 昭治
1
1慶應義塾大学商学部
pp.430,447-459
発行日 1995年9月30日
Published Date 1995/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902223
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生活を素敵にデザインする
私は,マーケティングの考え方とは,毎日毎日の生活をどう素敵にデザインできるかということと思っています.皆様方お1人お1人,よく生きたい,よい人生を過ごしたいと思うのではないでしょうか.私は,あまり「うまくやる」ということは好きではない.そうではなく,よい人生を自分たちの努力で作りたい.年末によく,「いい年をお迎えください」と言いますが,私はむしろ「いい年をお作りください」と言います."create happy new year"です.それは黙っていても来るものでもない.運というのは運ぶという字と同じです.自ら運ばなければ,いい生活というものは生まれないと思います.
そういう意味で,私自身が考えていることは,素敵な生活をどういうふうにデザインするかが,マーケティングの神髄ということです.私がマーケティングを専攻しはじめた頃から,売ること,営業することではないかと言われてきたのですが,そうではありません.マーケティングはどこから始まるかと申しますと,皆様方お1人おひとりから,どうやって宿題をいただけるかということなんです.企業活動で営業をするということは,売りにいったり,理解をしてもらったりすることではなくて,どんなテーマをお持ちか,どんな課題をお持ちかということを丁寧にお聞きして,いただいてくることなのです.
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