特集 安全管理の視点から看護業務を見直す
リスク感性を高める看護手順の見直し
井手 ユミ子
1
,
及川 ハツミ
1
,
山本 恵視
1
,
松澤 時子
1
,
清山 由紀子
1
,
高橋 芳子
1
,
瀬戸口 祥子
1社会保険都南総合病院看護局
pp.583-586
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902135
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はじめに
当院では,看護局の理念のもとに各年度に新たな目標を設定し,看護の質の向上に取り組んでいる。平成14年度は,目標の1つとしてリスクアセスメント教育の推進を掲げ,安全な医療とケアを提供することをめざしている。その一環として,看護実践のよりどころである看護手順を見直した。日常業務に潜むリスクを洗い出し,事故防止・事故が発生した場合の観察ポイントや対処法も視野に入れることで,看護行為のプロセスを示すことに重点を置いていた看護手順から,各プロセスで起こりうるインシデント・アクシデントを未然に防止しつつ看護を実践できるような看護手順を新たに作成することができた。また,この取り組みを通し,看護手順そのものが看護師のリスク感性を高めるための教材の1つになることが示唆された。
ここでは,リスクアセスメントの視点を取り人れた看護手順の見直しの具体的方法と,リスクアセスメントを実践することにより得られる効果などについて報告する。
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