特集 医療計画と二次医療圏の今後
二次医療圏見直しの手順と課題
高橋 泰
1
1国際医療福祉大学大学院
キーワード:
二次医療圏データベース
,
医療計画
,
人口推計
,
地域差
Keyword:
二次医療圏データベース
,
医療計画
,
人口推計
,
地域差
pp.827-831
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102128
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■二次医療圏データベースの紹介
今後日本社会は,総人口は減少するが,後期高齢者が激増する.二次医療圏の今後を考える場合,政策や病院の将来ビジョン作成の担当者がまず,①その地域の人口の増減や後期高齢者の増減を考え,②高度急性期型の病床の現在の多寡,③亜急性,回復期,地域密着型,療養病床などの現在の多寡を認識するべきであろう.さらに地域の地図の上に病院をプロットし,上記①~③の情報をもとに,地域の医療提供体制の将来像を描くのが,地域や病院の将来ビジョンを考えるごく自然な手順であろう.
しかしこれまで県や市町村の役所や病院の担当者が,他の地域と比較して自分たちの地域が,「高度急性期型の病床の多いのか少ないのか」「亜急性,回復期,地域密着型,療養病床が多いのか少ないのか」を判断するためのデータは整備されておらず,また地域の人口の推移予測からその地域の将来の適正病床数を簡単に推計できるようなツールも存在しなかった.政策立案の担当者や病院の将来を考える立場の人たちが,日本全体と比較しながら,自分たちの地域の医療や福祉の提供状況の変化を容易にシミュレーションできるツールの提供を目指して,筆者らは「二次医療圏データベース」を開発した.
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