特集 安全管理の視点から看護業務を見直す
新病院移転を逆手にとって改善活動につなげる
川合 榮子
1
1社会保険者陣総合病院
pp.587
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902136
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当院は,東京の下町地域において,公的病院としての役割を半世紀余り担ってきた,200床未満の中小病院である。しかし,公的病院のあり方が厳しく問われるようになった昨今の状況と,手狭になったこと,施設の老朽化を受けて,東京の南から北へと新設移転することとなり,2003(平成15)年4月の実施をめざして計画進行中である。移転の計画が本格的になると同時に,これまで受け入れてきた患者を将来的には診療し続けられないという事実に直面した。診療を続けつつ,近隣の病院を紹介するなどして,機能を縮小していかざるをえないのが現状である。
私は,以前勤務していた国立病院において統廃合を経験し,このように病院機能を縮小させていく過程の大変さを味わったことがある。ただし,国立病院は病院の縮小にあたり職員を転勤させることができたが,当院は独立採算制度をとっているために,系列病院とはいえ多少の給与格差があるなど,単純に転勤という措置がとれない。また,いったんは縮小するものの,移転後は職員を迎え入れて新病院をスタートさせたい。そこで,なんとか系列病院へ「研修」として,スタッフを受け入れてもらった。
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