特別企画 素材
看護学生の共感性について
夏目 悦子
1,2
1日本医科大学丸子看護専門学校
2神奈川県立看護教育大学校
pp.265-275
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200880
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はじめに
看護教育は次の世代の看護者を育成することである。近年のさまざまな看護理論の発展にみられるように,看護が科学として発達すればするほど看護教育の中で学生に伝えなければならない知識は膨大なものになってきている。南1)は"情報を分析すればするほど本質に迫れるのではないかという科学の姿勢と,もう一方で相手を大事にしようという動きとのギャップが,看護教育の中でも広がってきた"と指摘している。
人間と人間とのかかわりとしての看護を大事にしていこうという動きは,Peplau2)が看護を"重要な治療的人間関係の過程"と明確に位置づけて以来であるが,最近は,看護教育の中でも「人間関係論」の学習に力を入れるようになってきた。このような経過から,看護学生としての「感性」をどのように育むかが,課題の1つになってきている。「感性」の中でも,Doona3)は"ナースと患者の関係においては「共感」が決定的な要素になる"と述べており,「共感性」を最も重要視している。
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