焦点 病院を強くするISO活用法
ISO 9001をツールにした医療の質向上への取り組み
原 洋子
1
1亀田総合病院
pp.602-606
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902067
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「ISO」とは
ISO(International Organization for Standardization)は,国際標準化機構(1947年設立)の略称で,120か国以上が参加し,国際社会での取引における世界的な規格の統一を行なっている。現在,統一規格としてはUCやVISAなどの国際カード規格,フィルム国際規格などがある。この他,1987年に品質保証システムにおける統一規格「ISO 9000」シリーズ(ISO 9000 s)が策定され,さらに環境に配慮した組織作りに関する「ISO 14000」シリーズが出された。「ISO 9000 s」は全産業を対象にし,製品またはサービスの品質を保証するために必要な管理システムを規定したもので,製造業や建築業界では,取引先から逆に取得を要求されるほど,認証を得ることが経営上必須事項となってきている。ある運送会社のテレビコマーシャルでは,「ISO全支店取得」とテロップが流されている。このように「ISO取得」をアピールし,消費者の信頼を得るために活用する企業も多い。
ISO 9000 sの概念は,組織が品質方針を達成するために適用する経営システムといわれ,買い手(患者)が組織(医療提供側)の製品・提供サービス(医療サービス)に対して,安心して使用するために最低これだけの管理はしなければならないと考えられ,基準化されたものである。
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