BOOK REVIEW
『医療の質 マネジメントシステム―医療機関におけるISO9001の活用―』
鈴木 正子
1
1医療法人会 刈谷総合病院看護部
pp.651
発行日 2004年8月10日
Published Date 2004/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100544
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医療に求められる「品質保証」のツールとして
品質マネジメントとは,一般には顧客要求を満たすことであるが,医療におけるそれは,「現在の医療技術・サービスが最良の方向に向かう」ことである。そのための管理をどうするか,標準化と改善をどのようなプロセスで進めるか。医療における品質マネジメントシステム構築のために何が必要なのかが問われているなか,本書ではISO9001を医療の質保証・質向上のツールとして活用することを紹介している。
当院は1999年8月に健診センターでISO9001の認証取得をし,翌2000年2月にはISO14001の認証取得も果たした。現在は病院全体でのISO9001認証取得を目指し,活動を推進中である。当院がISO9001・14001の認証取得をしたころは,まだISO自体は医療界には馴染みが薄く,何をどうすればよいのか何もかも手探りだった。また,用語の解釈,定義づけも大変な作業であった。本書は,私たち医療人には難解な工業界での要求事項を,医療に当てはめ,“もの(工業製品)”を“ひと(患者および,家族や弁護士など代理人)に提供される医療サービスの全体”に置き換え解説しており,我々にも理解しやすい内容になっている。
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