焦点 病院を強くするISO活用法
地域住民に選んでもらう病院をめざして
中島 幸子
1
,
藤田 雅彦
2,3
1医療法人豊田会刈谷総合病院看護部
2医療法人豊田会刈谷総合病院事務部
3医療法人豊田会刈谷総合病院ISO推進室
pp.607-615
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902068
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病院がISO取得に取り組む意義
豊田会刈谷総合病院は,出資母体が愛知県刈谷市にあるトヨタ関連企業7社であり,その7社による社会貢献を目的として設立された医療法人です(表1)。また,理事会には,地元自治体である刈谷市市長,市議会議長が参画しており,民と官が協同する,医療法人としては全国的にもめずらしい形態をとっています。さらに,現理事長は規制緩和により,医師ではなく,トヨタ関連7社のうちの1つである㈱豊田自動織機製作所の名誉会長(豊田芳年)が務めています。こうしたなか,地域の基幹病院として患者の皆さまに,より質の高い医療・福祉サービスを提供し,地域に貢献するために何をすべきかを常に念頭においた活動を進めています。その取り組みの1つとして,1999年夏,ISO 14001(表2)認証取得活動の取り組みを始めました。
当初,世界的な環境問題への意識の高まりのなか,われわれの病院でも何をすべきなのか,という問題提起がなされていました。そこで,世界に通用する国際規格取得への取り組みが,地球環境への負荷低減はもちろんのこと,規格として定められたマネジメントシステムの確立によって病院としてのレベルアップにもつながることから,当院理事長からのトップダウンにより,ISO 14001認証取得の方針が決まりました。
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