特別記事
医療統計学の応用・実践に向けて
多尾 清子
1
1関西医科大学
pp.542-545
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901966
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はじめに
私はかつて,フロレンス・ナイチンゲールの統計学への関わりについて研究するために,英国へ留学したことがあった.そして,彼女が特に医療統計学者として歴史的に重要な始祖であることが確認でき,そのことを拙著『統計学者としてのナイチンゲール』(医学書院,1991)で発表することができた.
彼女は19世紀において,英国政府の怠慢ともいえる医療体制に果敢にメスを入れ,改革を行なった社会改革者であり,データを収集・分析して客観的に正しい結論を導き出す組織的な研究者であった.しかも,彼女独特の統計学の応用・実践を通じて,人類社会の衛生改革の先駆者となったのである.
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