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第5土曜特集 現代の臨床研究のための統計学2022――洗練された研究デザインと統計解析を理解してみよう
方法論の近年の発展
ベイズ流統計学の臨床試験への応用
Application of Bayesian statistics on clinical trials
手良向 聡
1
Satoshi TERAMUKAI
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科生物統計学
キーワード:
臨床試験デザイン
,
事後分布
,
予測分布
,
中間モニタリング
,
バスケット試験
Keyword:
臨床試験デザイン
,
事後分布
,
予測分布
,
中間モニタリング
,
バスケット試験
pp.428-434
発行日 2022年1月29日
Published Date 2022/1/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28005428
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臨床試験の方法論が確立して以来,統計的評価の方法として,頻度流の仮説検定・推定が主に用いられてきたが,そのパラダイムは変わりつつある.ベイズ流接近法は,パラメータの不確実さを事前分布で表し,そこにデータを加えることによって事後分布および予測分布を導くという一連の過程に基づく.ベイズ流の考え方は,バスケット試験などのスクリーニング目的の試験と相性がよく,適応的デザイン,とくに中間モニタリングのツールとして有用である.多くの臨床試験において,過誤確率を制御することで仮説を正当化する頻度流統計学が有用である一方,ベイズ流統計学は探索的臨床試験に適し,柔軟性と拡張性が高いことから,頻度流統計学の限界を補うことができる.
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