新しい医療と厚生行政
医療の質の確保に向けて
厚生行政研究会
pp.770-771
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208671
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歴史的に,わが国の医療行政は,国民の平等性(憲法第14条)を保障する観点から,低所得層や僻地住民への医療の供給など医療過疎状態に対する施策として,「量」(医療従事者数,病床数など)の確保に主眼が置かれてきたが,国民へあまねく一応の医療が供給できるようになった現在,医療行政は「質」の確保の時代を歩み始めている.
ところで,無医療地区で良い医療を期待することができないように,「質」は「量」に付随するものである.そこで,「質」を確保するためには,「量」を構成する要素を個々に評価し,良いところは伸ばし,悪いところは改善する努力が必要となるが,医療については,その評価手法が必ずしも確立していないため,各々の医療機関が信ずるところに従って漠然と「質」の確保のための努力がなされているだけの現状である.
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