特集 看護提供方式を問う
機能別看護方式が現在することの意味と将来への展望
秋元 典子
1
1東京大学医学部保健学科看護学教室
pp.2-7
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901859
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はじめに
看護方式は,方式そのものが先に存在していたのではなく,どのようにすれば患者によりよいサービスを提供できるかというわれわれ看護集団の関心から生まれた看護サービス提供システムである.しかもこの方法は,時代の変化とともに「生まれ,使われ,改善され」という変遷の歴史をたどってきた.
中でも機能別看護方式は,ある単位で必要とされる看護業務全体を業務別(例えば注射係,処置係など)に看護者に割り当てるという業務中心の看護サービス提供システムであるために,患者中心の看護が叫ばれ始めてからは採用状況に変化が生じてきた.すなわち,アメリカにおける調査1)によれば,機能別看護方式を採用している病院は,1986年に18%であったものが1989年には7%となっており,1992年には3%に減少する見込みであると報告されている.
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