特集 看護提供方式を問う
固定チームナーシングがもたらしたもの―益田赤十字病院における導入体験
永見 瑠美子
1
1益田赤十字病院看護部
pp.8-16
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901860
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
看護婦不足が深刻化し社会問題となっている現在,急速に進む人口の高齢化や医療技術の高度化に伴って,看護に求められる責務は増大する一方である.看護の質を保証するために,よりよい看護ケアの提供方式が選択できるという条件は,ますます厳しくなってきている.施設が抱える問題は千差万別であるが,限られた看護力で効率よい看護を提供したいという思いは,全ての看護管理者がもっているといっても過言ではない.しかし,理想と現実のはざまで悶々とする日々をおくる管理者も多いと思う.
益田赤十字病院では,看護チームが長年抱えてきた問題を分析し,本来の看護を『患者受持ち制』に位置づけ,諸種の条件をふまえながら可能な方法を検討した結果,これまで行なってきたチームナーシングから『固定チームナーシング』に切り替えることで一歩前進できた.チームナーシングでしばしば問題となっていた不十分な看護の責任や継続性も果たせるようになった.また,チームで支えあう看護活動を通してリーダーやスタッフが確実に成長し,その日だけの看護では得られない質の高い看護を提供する素地ができた.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.