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「エミィちゃん.えほんよんで」2歳の姪は,私を“エミィちゃん”と呼ぶ.まぁ,よいだろう.“おばちゃん”と呼ばないだけよしとしよう.兄夫妻の教育の賜物であると,高く評価したい.姪は,なぜか私の幼少期に瓜二つであり,親戚一同が「絵美衣が小さくなったのかと思った!」と連発する.顔だけではない,食の好みも同じである.白米と魚,乾物があればご機嫌だ.なぜ私に似ているのかは全くの謎であるが,とにかく柳田家の血が濃いことは明白である.そんな姪は花火(手持ち花火)がとても好きで,季節を問わず「エミィちゃん,はなびしよう!」と言う.季節に関係なく,好きなときに好きなことをするところも私と同じなわけだが…….まぁ,そう言うと思って,子どもが好きそうなキャラクターが描かれた袋に何種類かの花火が入った,かわいらしい花火セットを用意していた.「花火買ってきたから,やろうな」と声をかけると,姪が何やら持って来た…….「これ,あるの!!」と.“極上 匠の線香花火”……,えっ? 渋っ! いや,君,2歳だよね?「ひは おとなが つけるの〜」と,花火への点火は大人がするのだと主張する2歳.どうすれば,こんな2歳児に育つのか…….
翌日,「きょうは おほしさま みにいこうね」と姪に言われた.田舎なので,夜に空を見上げれば一面の星空.空を見ながら「あれがオリオン座だよ〜」なんて会話をするのかと想像していたら…….「はい,では次はM3球状星団をご覧いただきます」…….“ぶをぉぉぉをををん”(巨大天体望遠鏡と天井が動く).なんだよ,球状星団ってよ! なんなんだよ!! 連れて来られたのは“にしわき経緯度地球科学館 テラ・ドーム”.口径81cm大型反射望遠鏡…….スケール大きすぎて,よくわからん.「おほしさまみる〜」って言っているけど,この望遠鏡で見るものを星だと理解しているのか? おい.その辺の道端で見るもんじゃないのか,2歳児の“お星さま”ってやつは…….
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